この日がやってきた。久しぶりのレース。朝5時に起床。
これでレーススタートの3時間前となる。
モゾモゾと芋虫状態から何とかはい出し、たらこパスタを食べる。
朝から食べ過ぎてはお腹を壊すと思い、少な目にしていたのが良くなかった。
足りないな・・・となり、エナジーバーにかじりつき朝食終了。
今朝はこの時期からしても気温が高く朝6時の時点で26度。
朝から雨の予報が出ていて、そこから気温は徐々に下がる予定ではあったのだが、なかなか暑い。
朝電車に乗っていると同じレースの出場者が、今からでも出走可能。という状態でどんどん乗ってくる。
早朝の時点で上着を羽織る必要がないくらいの気温だったのだ。
そしてそんな心配事も残る中、メルボルンのアイコンにもなっているヘリテージのフリンダース駅でラン仲間たちと合流。
1人は以前ブログに登場した半アイアンマンのチョビ胸毛まことさん。
もう1人は前回のメルボルンフルマラソンで完敗しているあごひげ藤原さんだ。
この藤原さんはマラソンに出場する度に自己最高をマークしていっているノリノリのランナー。
前回のフルマラソンでは20分以上の差をあけられている。
前回のフルマラソン時、おれは何とかしてあごひげ藤原さんを打ち負かしたいと、
前半のペース配分を大いに間違い、後半、ツル。という有様であった。
そんな仲間たち2人と合流し、スタート地点へ向け歩いていく。
しかし、人が多い。こんなに大きな大会だったとは。30,000人以上のランナーが大集結とのこと。
応援の人達も盛り上がりを見せ、気分があがってきた!
そして、我がラン仲間の紅一点、けいこさんとも合流。
アルコールが大好物で体内の水分の半分はアルコールなのではないかという人である。
美人であり、日本的気使いと配慮の出来るおもてなし女子、オシャレであり、
でかいBMWに乗り、酒大好き女子で、フルマラソンを3時間36分で走りきる人である。100キロウォークなども経験している。
当チーム内で酒をガソリンに変えて機動力にするメンバーの1人。
この人がいなければじゃじゃ馬だらけでまとまらないチームでもある。
このキャップけいこも一番年上のじゃじゃ馬ではあるのだが。
あごひげ藤原さんはキャップけいこを倒すと宣言。
この時点ではおれは頑張ってくれ。と思って他人事のように聞いていた。
さぁレース開始の時間が近づく。
皆でスタート地点の人だかりの中に肩を入れ込んで満員電車への乗車のごとく人だかりに入っていく。
今回はあのシュワちゃんこと、アーノルドさんがスタートの号砲を鳴らすとの話があり、
あごひげ藤原さんがやたらと興奮していた。
どうやら昨晩はターミネーターを見てさらにシュワ熱を上げていたらしい。
今回我々はスタートの20mほど手前でスタートの号砲を待っていた。
少し高いところに設置されたスタートラインにいる関係者は目視が出来る位置だ。
ところがだ。居るのはシュワちゃんではない。
あごひげ藤原さんがっくり_| ̄|○
『 なんだ!来ないのかよ。 』と声を漏らす・・・。
『 そんなに期待してるのここであごひげ藤原さんだけじゃない? 』
というキャップけいこさんの突っ込みには耳を貸さない。
その横でまだ何もしていないのに、『 心拍数が110を超えた! 』
と異常な高速心拍の様子を知らせてくるチョビ胸毛まことさん。
おれはそんなにペースを上げる予定もなく、先頭集団からさらに下がったエリア、ブロック2からスタートしなければならない黄色いBibをつけていたのに、
ラン仲間たちと一緒にスタート地点により近いブロック1の青いBibエリアに
紛れ込んで入っていた為、そのブロックを追い出されやしないかと必死にBibを隠していた。
そんな時、スタートの合図の号砲が!
スタートのゲートまでは20mほどのところ、ゲートを抜けるまでにそんなに時間はかからない。
あごひげ藤原さんがやはりシュワちゃんが居ない・・・。と舌打ちしながらそれぞれスタート。
愉快な仲間たちはそれぞれ目標が違う為、おれは惑わされない為にもスタート地点からすぐに
皆と離れる。
4:55-5:05が今回守るべきペース。
4:45を狙っている舌打ちをする人とBMW乗りについてくと、乱されると判断。
すぐに自ら離れたのだ。周りにちょうどいいペースの人がいないかと探す。
変な歩調の人、やたらと跳ねている人、なんか最初だけっぽい人、
見ているだけでこっちのペースが崩れそうな人にはついていかない。
走りが綺麗で、腰の位置が安定していて、かつ細身で、ペースを気にしながら走っている人。
居た!! しかも美人。と思われる。まさにランナー体型。私、普段から走っています。という
後ろ姿、ランナーならではの足。無駄のない走りをしている。
『 ワタクシ、着いていきます。ヨロシクオネガイシマス。』と勝手にペーサーに仕立て上げ、
後ろ姿マラソン体型美人の後ろを、肥満レベル1をつい最近脱出した41歳がストーカーのごとく
狙っていた。
だが大きなレースではスタートしてすぐはごちゃごちゃである。
先が詰ったり、横からすり抜けられずにペースを変えなければいけないような状態が
何度か続いたのに加え、ペースが速いと感じたのか、この後ろ姿マラソン体型美人は明らかに
速度をガクンと落としたのである。
ストーカー行為はものの2キロほどで終わった。
そこでまた新たなペーサーをみつけては見失い。を繰り返していた。
そんな時、前にあごひげ藤原さんが走っているのを発見。
先ほどまでスタート地点では普通に話していたのだが、
これだけの人数がいるレースで知人に会えるのは嬉しい。
『ウェイ』とウーイェイよしたかよりの挨拶を交わす。
このペースではおれは早いからもう少し後ろから行くわ。とだけ告げ、離れていく。
このときはメルボルン市内の地下トンネル内にいてなかなか息苦しい状況だった。
普段はこんなところ車でない限り通れないところなので、非常にいい体験ではあるのだが、
こんなに大人数で地下トンネルで走る。というのもシュールな絵である。
さらに外気温も高いのに加えて、こもった空気がなんともしんどい。
未体験の上にトンネル内に居るという圧迫というか息苦しさのほうが上回っていた。
2キロほどの距離だろうか。このトンネルを抜けいくらか気温が下がってきた外気に触れた。
救われた!という感じだった。
この時点でスタートから5キロほど走ったところ。
圧迫から抜け出たころ、今日のおれは調子がいいのか、調子が悪いのか。足は、肺は?と
伺いながら走っている頃だった。
あごひげ藤原さんには少しペースを落とすと告げた。
でもアップダウンの激しいコースで、普段平坦な道を走ることが多いおれには今一つペースが
掴みきれていなかった。
そこで差し掛かったのが Bolte Bridge の上り坂だ。
この橋は上って下る橋。平坦な橋ではない。
意識して歩幅を小さくして、足の回転を早く刻み、上っていく。息はさほど切れない。
この Bolte Bridge の頂上が今回のレースの半分の距離となる。
フムフム。行けるのではなかろうか。という感覚になっていた。
この時点で4:55-5:05内のペースで走りきるという目標のペースは保っていた。
横を見るとメルボルンの綺麗な町並みとビル群が見える。
もうちょっとやってみようか。と考え方を変えたポイントでもあった。
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